【寒さ厳しき折】の意味と使い方について

寒さ厳しき折の意味と使い方について

冬の到来を感じさせる日本の伝統的な挨拶、「寒さ厳しき折」についてご紹介します。

このフレーズは、寒い季節を感じるときに使われる表現で、「折」という言葉が特定の時期やシーンを意味し、「寒さ厳しき」が「寒さが厳しい」という直接的な表現です。

手紙やはがきでよく使われるこの言葉は、11月の立冬から2月の立春までの冬の季節にぴったりです。

日本では、太陰太陽暦を基にした二十四節気で季節を区切っており、この時期は特に冬を意識した挨拶が使われます。たとえば、「寒さ厳しき折、ご機嫌いかがですか」と手紙の始めに書くことができます。

同じような文脈で「折柄」という言葉も使われ、「柄」はここでは状況や特性を示す接尾語としての役割を果たします。これは「その時期にふさわしい」という意味を含み、「寒さ厳しき折柄」という表現は、冬の特徴をより強調しています。

目次

いつが一番寒い?冬の寒波がピークになる時期

「冬の一番の寒さ」「冬の寒波の時期」といったフレーズに厳密な使い方のルールはありません。

一般的に、これらの表現は12月に入るとよく耳にします。暦では立冬(毎年11月7日頃)をもって冬の始まりとしますが、11月初めはまだ秋の感じが残り、完全に冬と言うには少し早いです。

この時期は「初冬」と呼ばれます。伝統的に、冬は次の三つの期間に分かれています。

初冬(はつふゆ・しょとう)
仲冬(ちゅうとう)
晩冬(ばんとう)
これらの期間は「三冬(さんとう・みふゆ)」と称され、旧暦の10月、11月、12月にそれぞれ相当します。

二十四節気に沿って見ると、以下のようになります。

初冬:旧暦10月……立冬から大雪(12月7日頃)前日まで
仲冬:旧暦11月……大雪から小寒(1月5日頃)前日まで
晩冬:旧暦12月……小寒から立春(2月4日頃)前日まで

二十四節気は、一年を春夏秋冬の4季に分け、それぞれをさらに6つに細分化したものです。

「三冬」を基にすると、特に「仲冬」から「晩冬」にかけてが最も寒波が強く感じられる時期と言えます。

この頃は冬型の気圧配置が強まり、北風が強く吹き、日本海側では雪がよく降ります。寒さが身に染みるこの時期は、12月から立春(2月4日頃)前日までが特に寒波を感じやすい期間です。立春を迎えると、暦上では春となるため、「冬の寒波の折」を表現するのは適さなくなります。

 

冬の挨拶「寒さ厳しき折」を使った心温まるメッセージ集

冬の季節に相応しい挨拶としての「寒さ厳しき折」の表現方法についてご説明します。

この言葉は、手紙やカードの時候の挨拶として、相手への気配りを示す際によく用いられます。例えば、手紙の冒頭では「拝啓」などの頭語に続き、「寒さ厳しき折、いかがお過ごしでしょうか」と綴ることが一般的です。

さまざまな表現方法があり、「寒さ厳しき折、皆様が元気に過ごされていますように」といった願いを込めた言い回しや、「寒さ厳しき折、ますますのご健勝をお祈りしております」などと書くこともできます。

手紙の結びでは、「敬具」の前や代わりに「寒さ厳しき折、どうぞお風邪など召しませぬように」と心配りを示すことが可能です。

また、「寒さ厳しき折柄」と表現しても同じ意味で使われます。

「寒さ厳しき折、お身体を大切にしてください」や「寒さ厳しき折、引き続きご活躍されますように」といった形で、相手の健康や幸福を願うメッセージを伝えることができます。「寒さ厳しき折」という言葉は、寒い季節がまだ続くことを伝えつつ、相手の健康や幸せを気にかける暖かな言葉です。手紙の始めと終わりにこの表現を加えると、相手への思いやりが伝わります。

 

まとめ

「寒さ厳しき折」とその派生形「寒さ厳しき折柄」は、いずれも冬の到来を表す表現です。

これらは、特に12月から立春の前日(2月3日ごろ)にかけての冬期間に適しています。

手紙やはがきで時候の挨拶をする際には、これらの言葉を用いて相手の健康や幸せを願う気持ちを伝えるのが一般的です。

これらの表現は、文章の導入部分だけでなく、締めくくりにも適しています。時候の挨拶では、季節感を表現しながら同時に相手の健康を思う心遣いを示すことができます。公式な手紙や親しい人へのメッセージにも、上述した例文を参考にしてみると良いでしょう。

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